はじまること、はじめること

 新学期が始まりました。秋や冬には殺風景だなと思った通学路も鮮やかな桜色が映える快晴で、普段はスマートフォンから目を離せない人もこの時期ばかりは景色を楽しんでいるようで、桜の劇場効果の力強さに圧倒される一日となりました。

 久々に会った友人たちは恋人ができていたり、恋人である後輩が同じ大学に入学したということで一緒に講義を受けていたりと去年とは異なる日々を過ごし始めたようでした。

 私は新鮮味のある出来事はなく、代わり映えのない日々に飽き飽きとしていることもあって友人たちをうらやましく思う気持ちもあります。

 ただそれが暇を持て余しているわけでもなく、むしろやらなければいけないことに追われる日々に倦怠感を覚えるほどに人生は充実しています。

 この数年で気付いた自分の特徴として終わらせることが下手というものがあります。そのくせなんでも始めたがる性分で年々やらなければいけないことが増えてしまい、自分のキャパシティを越えたあれやこれやを睡眠時間やらを削って消化することが当然の日々となっています。

 この睡眠時間を削る生活すら始めてしまうとやめるのが難しく、余裕がある日も無意味に夜更かししてしまったりと分別のつかなさが底なしで困っている現状です。

 はじまることは自然と終わるようにできていますが、はじめることは能動的に終わらせなければならないということを感じる昨今です。

 この難しさは最初に終わらせる時期を設定してやる必要がある点に尽きると考えています。途中で設定してやることも可能ですが、私の場合やめるよりも継続する労力が軽いと感じてしまいいつも手遅れになるまで放置してしまう悪癖は今年中に改善したいなと思います。

 今学期の抱負ははじまる人間関係だけでなくはじめる人間関係を増やしていきたいというものです。来るもの拒まず、去る者追わずを座右の銘にしていましたが、逆に人間関係を受動的なものにばかり絞っているので悪手だなと。